大規模風力発電所が生息する生き物に及ぼす可能性

オリックス株式会社の計画する大規模風力発電所は、この地域に生息する生き物にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

「高知県の鳥·四万十町の鳥」に指定されているヤイロチョウは、毎年5 月中旬から聴かれる鳴き声が四万十町の風物詩として、多くの住民に愛さてています。

2014 年7 月には民間の資金により「四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター」が大正地区の轟公園内に設置され、マスコミや国内外から訪れる多くのバードウォッチャーに対して、ヤイロチョウが生息する保護区の森などの情報を提供しています。

本年度はNHK の「ワイルドライフ」という番組の取材班が55 日間にわたってヤイロチョウの生態を中心に取材しており、早ければ秋にも全国テレビ放映される計画と聞いています。

現在、事業者であるオリックス株式会社は、日本気象協会に委託して環境への影響調査(事業者アセス)を実施していますが、ヤイロチョウなど森林に生息する小鳥類の多くは夜間に渡りをするため、蓄積された科学的なデータはほとんど存在していません。

事業者によるアセスだけでは、ヤイロチョウなど渡り鳥への影響を調べる科学的なデータが不足する怖れが高いことから、公益社団法人 生態系トラスト協会では、独自にヤイロチョウなど渡り鳥への影響調査に取り組んでいますが、財政的·人的にも不足しております。
そのため、住民にも調査への参加を呼びかけ、風力発電の中心地域に位置する国道439 号線杓子峠において、4 月14 日に予備調査、5 月11 日・12 日に『住民参加型ヤイロチョウの渡りルート調査』と、日本気象協会スタッフ、四国風車ネットワークの関係者を交えて現地学習会を行いました。

その結果、風力発電所の建設予定地内で、5 月12 日0 時15 分にヤイロチョウの渡りの際の鳴き声が確認されました。風力発電計画地がヤイロチョウの渡りルートに位置することが明らかになったのです。

風力発電の主要な設備である巨大な風車の羽に、鳥が衝突して死亡するバードストライクも各地で報告されています。北海道では絶滅危惧種のオジロワシが、風車の羽に衝突死する事故が相次いでいると言われています。

四万十町における本計画の建設予定地が、ヤイロチョウの渡りルートであることが判明したいま、県の鳥であり、町の鳥であり、絶滅危惧種でもあるヤイロチョウを守っていくためには、大規模風力発電所は必要ないと、私たちは考えます。