私たちの想い

四万十町は、美しい山·川·海や田畑に恵まれ、淡路島に匹敵する広大な四万十川流域の森林には、国や県の絶滅危惧種に指定されているヤイロチョウやクマタカが生息するなど、全国的にも自然が豊かな地域として知られています。

ところが、平成31年214 日の高知新聞等で、標高550 メートルの尾根筋に、高さ120 メートルの風車を49 基も設置するオリックス株式会社による大規模風力発電計画が発表されました。

それ以来、地域住民の間で、ふるさとの美しい景観や、多様な生物が生息する豊かな森の生態系の破壊、近隣住民への健康被害等について懸念する声が高まっています。

四万十川へは日本のみならず、世界中から多くの方がこの風景を見に訪れます。どこまでも連なる山々とその隙間を曲がりくねって流れていく川、そして小さな小さな沈下橋、この風景の魅力は一体、何でしょうか?

四万十川の風景には、人の暮らしに根付いたこの沈下橋が欠かせません。厳しいけれど、多くの恩恵を生み出す自然に習って、小さな人間が知恵を絞って暮らしてきました。

自然と、人間の暮らしの調和した姿が四万十川の景観の美しさを生み出しているのです。

私たち地元の人にとっては、この清流は、暮らしに根付いた「日常の川」ですが、コンクリートで護岸された川を見慣れた都会の人にとって、この美しさは心が解放されるような気持ちになるものです。

風景と暮らしの調和が、絵になる風景、心の中の原風景、失われてしまった日本の原風景を生み出しています。だからこそ、ここを訪れる人が後を絶たず、いまや国内のみならず、アジア各国や欧米からも旅行者が訪れるほどになりました。

四万十川と、川がおりなす景観は、町の財産だけではなく日本の、世界の財産といっても過言ではありません。この景観を文化財として保護していこう、子ども達に残していこうという大きな意志のあらわれが、国の重要文化的景観であり、高知県四万十川条例であり、四万十町の景観計画です。

四万十町の景観計画には、「建設物の新築に当たっては高さ20 m を超えないこと」「景観重点区域から見える稜線を分断しないこと、景観重要公共施設、景観重要建造物、景観重要樹木からの眺望を阻害しないこと」とあります。

しかし、オリックス株式会社の環境配慮書の要約書53ページには「主な眺望点からの風力発電基の視認可能性について「『家地川公園』以外の全ての主要な眺望点から風力発電基が視認される可能性がある。」と書かれています。

下の写真は、今年2月にドローンを使って建設予定地付近で、風車とほぼ同じ高さの100メートル地点から、四万十川方面を撮影した写真です。
この写真には、景観重点区域である打井川付近と大正中心部付近の四万十川がはっきりと写っています。この写真の意味するところは、重点区域からも風車を目視できる可能性が非常に高いことを示しています。

計画されている大規模風力発電所は、四万十町景観計画に定める建造物の建設にあたって規制を定めている「稜線を分断しないこと」に、明らかに反していると、私たちは考えます。

四万十川流域で生活する人たちは、かけがえのないこの風景を自然と共に育んできました。そして、この現代においても、なおそれは引き継がれ、「人の心を癒す」というとても繊細で大事な役目を負っています。

データや数値やお金では測ることのできない、失うと2度と復元することが不可能な貴重で普遍的な価値が、四万十川とその景観にはあります。

私たちは、住民自らが作りだした四万十川景観計画という条例で、この風景を大切に守っています。地元住民として、世界に向けて胸を張れる私たちの誇りそのものなのです。

そのことを、その意味をどうかもう一度、思い出してください。

 

高知県知事、四万十町長、及び四万十市長への要望

・四万十町長、及び四万十市長は、オリックス株式会社による大規模風力発電計画に対して、保安林の解除をしない、町と市の所有地を提供しない旨を即時発表し計画を止めるよう働きかけること。

・高知県知事、及び四万十町長は、絶滅危惧種に指定されている「県の鳥·町の鳥」ヤイロチョウについて独自の調査を行い、その恒久的な保護を進めるため、「ヤイロチョウ保護条例」を策定し、今後も四万十川流域の自然を壊す恐れのある計画は行わないこと。

・高知県知事は、オリックス株式会社による風力発電事業に対し、意見書を提出し、想定区域周辺の希少動植物や景観、環境等に重大な影響を回避できない場合には事業中止するよう求めること。

四万十町景観計画とは
四万十町には「日本最後の清流」として全国的に知名度の高い四万十川が流れています。そこには沈下橋のように人間の生活と自然が調和した、日本の原風景ともいえる風情が残っています。これらを守り、育むために平成20年8月に策定されたのが四万十町景観計画です。